時折恋愛トークネタが流れて来る中で男のタメのモテ術みたいなのでこんな話がある。
女の子が相談に乗って欲しいという時は、あくまでも今から言うことを全肯定して、さらに愚痴をうんうんと聴いてくれることを望んでいるから、間違っても否定したり余計なアドバイスをするなというもの。
これは確かに真だと、過去の経験でも思う。
しかし、これを真に受けすぎてそのまま実行したところで、決して全てがうまくいかないことを伝えておきたい。
普通に考えれば、相談に乗ってくれと言われているわけで、男側からしたら「これは違うよな」とか「ここはこうすればいいのに」なんて思うことがあったら、それを口から発したいと思うだろう。
しかし、確かにグッとそこを抑えて「そうだよね。うんうん。」なんて感じで相槌を打ちながら、時には「その通りだと思う。◯◯って言うのは酷いな。それで?」みたいに、ただ頷くだけじゃなくて、時折具体的なワードを入れておくと、「本当に聞いてる?わかってる?」なんて苛立ちも生まれない。
僕はかつてキャバクラの黒服として働いていたことがあって、こうした女性からの愚痴を聴くのは日常茶飯事だった。
なので、こうした聞き役に徹することをしていると、自然と女性からは好感を持ってもらえて、割りと人気もあった。
しかし、これはあくまでも仕事だから出来たこと。
気をつけて欲しいのは、同じくキャバクラの黒服で働いている他の人の中には逆に否定して人気を得ている人もいた。
その人たちが人気がある理由は「本当は自分でも間違っていることを分かってるけど、愚痴を聞いて欲しい。そして誰かにおもいっきり怒って欲しい」と思っている女子がいるからだ。
往々にして人気が出る女子は、こうした「愚痴を聞いて欲しい&指摘して欲しい」を兼ね備えている女子だったと思う。
さて、話は戻って、全肯定するのが危険だという話だが、これが仮にアナタの部下なり同僚なりの仕事の愚痴であれば、静かに黙ってランチでも食べながら、時折愚痴の対象者のことを一緒に怒ってみたりしながら、その女性の気分を爽快にしてあげればいいだろう。
ところが、これが「モテ」たい相手だと若干変わってくる。
その代表選手が「彼氏の愚痴」である。
もし、仮にあなたがその女性のことを抱きたいと思っていたり、彼氏から略奪してやりたいと思っていた場合、気をつけて欲しいことがある。
それは「彼氏の愚痴を全肯定することは、その日は良いが後日危ない」ということ。
例えばその日、お酒を飲みながら彼氏の愚痴を聴いていた場合は、うんうんと全て全肯定してあげて、酔っ払った勢いでホテルでもいって、相手のストレスのはけ口になりながら、自分の性的欲求と彼女の不満の両方を解消すればよいだろう。
しかし、もしそういう一夜限りの情事だけじゃない、その後の関係も求めている場合は、非常に危険と隣り合わせ。
なぜなら、彼氏の悪口を聴いて肯定しても、結局のところ彼女が好きなのはその彼氏であるからだ。
つまり、その日は「私の味方」と認定されて、いい人だと思ってもらえるけれど、後日は「彼氏の敵」と認定されてしまうので、微妙な空気感が流れることがあるのだ。
このへんが非常に難しいところで、逆に彼氏と別れてしまえば、私の味方と認定されているアナタが他の男性よりも有利に働くと思うのだが、乙女心と秋の空とは良くいったもので、彼氏にまたべったりとなった瞬間、あなたはむしろ嫌な人になってしまう。
実は過去に何度と無く、こうした聞き役になってきた経験があり、最終的に彼氏で不満だった部分を解消するための役割になってきたことがある自分にとって、得られたのは一時の快楽のみであったことが多い。
残された側の男性は、非常になんともいえない気持ちになるものだ。
恋愛テクニックとして、女性の相談は全肯定というのは、おっしゃる通りだと思うが、かといってそれを駆使したところで決して全て美味しいわけではないということ。
また、彼女が自身の友人の悪口を言っている時も同様のことが言える。不満を聴いてもらえればスッキリするので、その後のことは忘れているなんて話もあるけれど、やはりここもあまりに肯定し、一緒に苛立ってくれると、その瞬間は好意的に思ってくれるけど、後日友人と仲直りしてしまえば、その彼女はあなたと話をするのが気まずくなることもある。
では、どうしたらいいのだろうか?
僕が考える今のところ一番有効な方法は「思っていない余計なことを言わない」である。
例えば彼氏が仕事が忙しくて彼女のことを全然相手にしてくれないという愚痴の場合「今は仕事を頑張らないといけない時期だから仕方ないよ」と思っても、全肯定するためには言えないだろう。
ここで例のテクニックに基づいて発言するなら「うんうん。寂しいよね」あたりだろう。
ところがここで、一緒になって「いや、ほんと仕事ばっかりで相手にしない男とか、男としては無能だよ」とまで言ってしまうのがダメだということ。
また、さらにダメパターンは「俺ならそんな寂しい思いさせないのに」と自分アピールをするやつ。これ一番アウト。
で、余計なことを言わないというところだが、一緒になって怒るとしても、彼氏の悪口になることを自ら言わないというのがポイントである。
「寂しいよね」は、一見彼氏を責めているようだけど、あくまでも彼女の気持ちを代弁しているに過ぎない。第三者であるアナタが口を出していいのはここまで。彼氏のことを矢面にたって攻撃すると、前述したような後日のなんともいえない切なさが現れるのだ。
と、ここまで色々書いたけど、なんで書いたかっていうと、この手の話が流れてきた時に「わかるわー」と発言している男性が、たいがい分かっていないと思ったことと、真に受けすぎて後日切ない想いをしている人が自分に「聴いてくれ」と言われたところで、僕は男性とその日のアバンチュールを楽しむ予定がないだけに、もうそろそろ気づけよと言いたかったからである。
テクニックなんか使っても虚しさしかないよねと言いたかったという感じですかね。モテるやつはこんな余計なことも考えてないよって話で、付け焼き刃は何しても無理。
女性の相談をうんうんと聴いていられる人は、かなりドMか、その後いじめてやろうと考えているドSを越えた鬼畜ぐらいでしょう。
あ、メリークリスマス。