昨日のよる、ふとコンビニに立ち寄ったら、懐かしいものを見つけた。
昔だいすきだった。
いくつも並べられた中に、君を見つけたら誰よりも早く君の手を握りにいった。
僕の頭ん中で覚えているのは、その甘くてどこか大人な香りが、いつも魅了して、もう少しだけ、もう少しだけと気づけばもう手の中をすり抜けて抜け殻だけが残された、そんな姿だった。
昨日、みつけた君は、わずかばかりの賞味期限を残し、ただただ誰かをまっていた。
僕はほんのすこし寂しくなったけど、今の僕は君を抱きしめることはしなかった。
外は雨。いま乾燥機にかけられたタオルが、乾いていくのをただただ静かに待っている。